
本年も皆様から多大なご支援・ご協力を賜り、活動を進めることができました。役職員一同心よりお礼申し上げま す。
昨年、今年は選挙の多い年でした。2024年は世界的な選挙イヤーと言われ、60か国以上で選挙が実施されました。
日本でも昨年は衆議院議員選挙が、今年は参議院議員選挙が実施されました。
政治家は言葉が命と言われます。複雑な社会構造の中で生きる人間という動物にとって、民意によって選ばれた政 治家は、それほど言葉に注意を要するということです。
言葉は人間だけが持つもので、それゆえ人間は他の動物より優れた特別な存在であると考えられてきました。しかし近年、動物のコミュニケーションに関する研究が進み、動物の鳴き声は特定の意味を持つ言葉として機能していることが明らかになってきており、動物言語学という学問分野も創設されました。ただし、目の前にない抽象的な事柄を表現できるのは人間の言語だけであると、現時点では考えられているようです。
仮に複雑な言葉を使えるのは人間だけであるとして、人間は他の動物よりも優れていると言えるのでしょうか。人は言葉の力で人を救うこともできるでしょう。しかし一方で、言葉によって社会の分断を進めることも、物語を広めて民族間の憎悪を煽ることもできます。そうして他の生きものの生存競争とは隔絶した規模で紛争や戦争を引き起こし、環境や人々の心身に取り返しのつかない傷跡を残してきたのです。
国家間の緊張が高まり、気候危機が進む今日、むしろ人間にはできないけれど他の生きものにはできることや、生きもの間の相互作用に謙虚に目を開く方が、よほど大切なのではないでしょうか。そのためにも、長い時間をかけて織りあげられた自然の仕組みという網の目を、人間が断ち切ってしまってはいけないのです。
一度失われると取り戻すのが難しいものを次の世代に引き継ぐには、個々人の思慮深さとともに、人々の息の長い協働が求められます。来年も皆様のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
常務理事 長井 聖治
当協会会長 石井 実は、2025年12月1日に逝去いたしました。ここにあらためて生前のご厚誼に深謝申し上げます。
石井会長は代表理事として当協会の事業・運営に力を尽くすとともに、専門家として日本の生物多様性の保全に多大な功績を遺しました。
当協会は石井会長の遺志を受け継ぎ、これからも大阪府域の貴重な自然環境や生物多様性の保全、未来を担う子どもたちのみどりを大切に思う心をはぐくむ活動を続けてまいります。変わらぬご支援・ご協力をお願い申し上げます
事務局職員一同
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