
梅雨の晴れ間という天気ならよかったのですが、当日はあいにくの曇天。観察する側の人間にとっては山歩きしやすい気候ではありますが、チョウにとってはどうでしょうか。飛んでくれることを祈りつつ、オリエンテーションを済ませて三草山の麓からゼフィルスの森へ向かいました。
まずは観察台付近のエリアで、講師の竹内先生(大阪公立大学 客員研究員)からゼフィルスの概要を説明してもらいました。三草山での保全活動の説明も簡単に行い、いよいよゼフィルスの探索開始です。

樹上を見上げても飛び交う様子がなかったので、先生の9mの長竿の網とスタッフの6mの網を伸ばして、手近のナラガシワやクヌギなどのドングリが成る木や、クリの木を叩いて行きます。参加者のみなさんも目を凝らしてもらって、叩いた箇所からゼフィルスが飛び出ないか。飛んだらどこに向かい、止まったか手分けしながら見守ります。

※三草山ゼフィルスの森は全動物種の採集が条例で禁止されていますが、観察会の時は特別に許可をもらっています。
しばらくすると先生の近くから歓声が。ヒロオビミドリシジミのオスを見事一時捕獲しました。ヒロオビミドリシジミは大阪府絶滅危惧Ⅰ類に指定されていて、府内では三草山が唯一の生息場所になっています。オスは翅表に金緑色といわれる青みがかった光沢を持っていて、捕獲したチョウの翅のすきまから見える青色に、みなさん夢中でした。
続けて、ヒロオビミドリシジミのメス、ミズイロオナガシジミを捕獲して観察用のカップに入れてじっくり観察してもらいした。メスの翅表には光沢はないのでなんとなく地味な気がしますが、これも生きものの生存戦略なのでしょう。

移動して、次は行灯岩エリアで探索をしました。
前日の鱗翅学会の調査ではあまりここでは見られなかったようですが、今日はどうでしょうか。ちょうどお昼の時間になったので、樹上に視線を向けながら昼食を食べました。
太陽光が少し強くなってきたためか、大きいナラガシワの樹上に飛び交うゼフィルスが出てきました。オス同士がくるくる回りながら行う卍飛翔も見られました。早々に昼食を終えた参加者にも網を振ってみてもらおうと声をかけると、何名かが挑戦してくれました。初めて使う長竿の網は扱いづらく、なかなか思うように動いてくれませんでした。若いころは虫捕りが趣味だった、という能勢みどりすとクラブメンバーも挑戦してくれて、みごとヒロオビミドリシジミの捕獲に成功しました!
午後からは竹内先生オススメのエリアに移動しました。ここは樹高が低い木が、ヒロオビミドリシジミが好む林縁部の開けた場所にあって、運が良ければ目線近くでゼフィルスが観察できるかもと期待を込めてやってきました。到着してすぐに先生からウラジロミドリシジミが獲れたとの声が。これはいけるかもしれないと、元気のある参加者は先生に続いて林の奥へ、ちょっとのんびりしたい参加者はスタッフと一緒に開けたところで探索を行いました。
開けた場所でもゼフィルスの飛び交う姿はよく見えて、参加者のみなさんの目も小さいゼフィルスに慣れてきたこともあり、そこら中で「見えた!いた!」との声があがりました。林の奥へ行った組の歓声が聞こえて「何?何??」となりましたが、正体はアゲハモドキという出会う機会が珍しいガでした。ジャコウアゲハにとてもよく似ているガです。
そろそろ帰路につこうかとしたとき、みどりすとのメンバーが何かを発見した様子。見に行ってみると、高さ2mほどの葉っぱの上でヒロオビミドリシジミの雌雄が交尾していました。なかなか見ることのできない光景に、みなさん夢中でカメラを向けていました。観察会の最後に素晴らしいものを見せてもらいました。ヒロオビさんたちは落ち着かなかったかもですね。ごめんなさい。


ゼフィルスを求めて1日歩き回る観察会になり、足もパンパン、上を見過ぎて首が痛いなどいろいろありましたが、ゼフィルスの翅を広げた美しい姿や珍しい行動をみることができて、とても充実した観察会になりました。
参加者のみなさま、竹内先生、みどりすとのみなさん、ゼフィルスや森の生きものたち、本当にありがとうございました。
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