緑豊かな丘の上に広がる大阪教育大学 柏原キャンパスで学ぶ国語、ICT専攻の学生さんを対象に、森林ESD体験授業を行いました。図画工作の授業枠で行うため、まず自然をじっくり観察し、感じ、それを図画工作で表現するというプログラムです。特別講師は、普段からさまざまな自然体験プログラムを実施されている大阪森林インストラクター会の皆さん。みずみずしい緑が爽やかな朝、キャンパスを歩きながらの野外活動がスタートしました。
1限目のプログラム、1つめは『フィールドビンゴ』。いつも見慣れているはずの道を「木の実」「フワフワ」「自然の音」「香りのするもの」など16の探し物を見つけて歩きます。グループで相談しながら、色や形、感触、音や香りなど、五感を使って見つけたものは、持ち帰ったりスマホで写真を撮ったり、メモで記録したり。森林インストラクターから教えてもらった「クスノキ」の葉のスーッとする香りに驚くグループもありました。こうしてさまざまな感覚を研ぎ澄まして宝探しをするうちに、自然に対する観察力がどんどん高まっていきます。
2つめのアクティビティは『自然の紋』。有名な徳川家の葵の紋など、日本に伝わる家紋の多くは自然を題材にしているという説明を聞いた後は、自分の紋づくりにチャレンジ。1限目に観察した葉や花、虫などをモノトーンでデザイン化して紋を作成しました。それぞれに個性があふれる紋がズラリと並んだ様は圧巻。いくつかの作品について作成意図や着眼点を聞きながら鑑賞しました。
2限目の学生さんたちは、『森の色あわせ』に挑戦しました。厚紙に5色の和紙を貼り付けてつくったパレットを手に、屋外へ。それぞれの和紙と同じ色の自然物を探しました。和紙はどれも繊細な色合いの中間色ですが、枯葉や花びら、綿毛、石ころなど、自然の中に驚くほどそっくりな色がたくさん見つかりました。
『森の色合わせ』で自然をじっくり見る目を養った後は、『森の美術館』というアクティビティを行いました。自然の風景をさまざまなサイズの額縁や虫眼鏡型のフレームを使って思い思いに切り取り、1枚の絵に仕立てます。きれいなものだけじゃなく、おもしろい、不思議、へんてこなど、自分の感性にヒットした場所にフレームを置き、タイトルを付けて完成です。緑のキャンパスの中にたくさんの名画が並ぶ様子は、まさに『森の美術館』。それぞれのグループがつくったアートをゆっくりと鑑賞して回りました。
授業を受けた学生さんの感想の一部を紹介します。
【1限目】
フィールドビンゴでは普段何気なく歩いているところにも、よく観察するとたくさんの見たことのない植物があることに気づくことができた。
【2限目】
環境を主役にすると植物や、地面など見てもいなかった物が見えるようになって自分の周りは様々なカラフルなものや面白いものであふれているのだと思えた。
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