三草山ゼフィルスの森では、増えすぎたニホンジカによる食害を防ぐため、2023年度にエリア全体(約14.5ha)に防鹿柵を設置する計画を立てました。獣害対策がご専門の高柳敦先生(京都大学)のご指導を受けながら、2023年度は調査と準備を行い、今年度から東側半分(約7ha、延長1km)の防鹿柵設置を進めています。
能勢みどりすとクラブや能勢の里山を繋ぐ会など、日頃からこの場所で活動しているボランティアメンバーによって、少しずつ設置作業を進めていたのですが、総延長約1㎞に新たな防鹿柵を張るには人手が足りません。そこで、多くの方に参加いただけるよう、12月14日・21日に「防鹿柵設置大会~エリアぜんぶを鹿柵で囲っちゃおう!」と銘打ったイベントを実施しました。
12月14日(土)は、ボランティアメンバーに加えて、三草山ゼフィルスの森保全検討会議の委員、他の活動地で保全活動を行っているメンバー、9月にこの場所で実習を体験した環境事業協会主催の講座修了生(学生さん!!)など、多方面から23名の方に参加いただきました。
冒頭、高柳先生から、獣害対策設置の心得として(1)適切な構造の柵を選択する、(2)適切に設置する、(3)適切に維持管理する、ことが重要で、これに加えて、本気で取り組むこと が肝心で、シカを完全に排除する という気持ちで取り組むべし、というお話がありました。
また、シカの侵入パターン(1)下からの潜り込み(柵が20cm持ち上がると侵入する)、(2)乗り越え(柵の高さ1.6m以下で起きる)、(3)穴あけ(直径20cmで侵入する)、(4)飛び込み(柵の高さが1.8m以上あれば、防げる)を考慮し、これに対応した防鹿柵にする必要があるという説明がありました。
設置作業の概略は以下のとおりです。
■基礎支柱を2.5mの間隔で打ち込む。
■本支柱(長さ2m)を基礎支柱に装着する。
■上段と下段の2種類の金網フェンスを取り付け、上下を結束する。(金網フェンスの長さは、25m)
■アンカーを打ち込み、下段の金網フェンスの浮きを防止する。
■斜め支えを必要な箇所に設置する。
午前中は、下段フェンスが設置されている場所に、上段フェンスを張り、上下左右結束をやってみました。
高さ2mまで資材を持ち上げ、ピンと張るために両端をひっぱりながら、「そっちもうちょっと引っ張って~」「OKOK、ありがとう。それでいけそうやわ。」と声をかけあって作業を進めました。その後、「アンカー班」、「上段フェンス班」、「上下左右結束班」に分かれ、作業経験者が初心者の作業を見守りながら、協同作業で行っていきました。初心者は、作業を進める中で見る見るうちにコツを習得し、午前が終わるころには立派な作業経験者になっていました。
12月21日(土)の参加は17名。この日は、設置場所を2ヶ所設定して、ふたつの班に分かれて作業しました。それぞれの班で一体感を持って作業を行い、予定していた作業をすべて終了することができました。
いずれの日も、青空が広がる穏やかな天気の中、気持ち良く作業できました。終了時には、「楽しかった。また来たいです!」という嬉しいお声も。今回、ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。
今後も、防鹿柵設置活動は続きますで、ご協力の程よろしくお願いいたします。
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