
(公財)日本自然保護協会(以下NACS-J)が米マイクロソフトの「Community Environmental Sustainability Program」助成金の支援を受けて、2025年度より3年間、能勢町でネイチャーポジティブの実現を推進する取り組みが始まりました。「能勢ネイチャーポジティブプロジェクト」と名付けられたこのプロジェクトに、当協会はパートナーとして全体運営に参画しています。
本プロジェクトは、生物多様性の宝庫である能勢町において、ネイチャーポジティブ(自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる)の実現を目指すプロジェクトです。
私たちの暮らしは、「自然やさまざまな生きものたちのちから(生物多様性)」によって、支えられています。しかし、一次産業の衰退や人口減少により、里山をはじめとした身近な自然の生物多様性が危機的な状況にあります。さらに、地域で保全活動を担ってきた市民団体の高齢化や担い手不足、自治体の人手不足など、自然環境を守る体制そのものが弱まりつつあります。こうした課題を受け、多様なパートナーが協力し、地域課題の解決に取り組むことが求められています。
このプロジェクトでは、町内の生物多様性保全上重要なフィールドにおいて保全活動を推進することに加え、自然とのふれあいや自然の守り手を増やすことを目指し、自治体や企業・市民の積極的な参加を促し、地元の学校など教育機関との連携を進め、市民の手によるモニタリング調査やプロジェクトを推進できる体制づくりを行います。また、生物多様性を活かした防災や減災、水源涵養、獣害対策、持続的な地域づくりなどNbS(Nature-based Solutions)にもつながる取り組みを検討、実践していきます。
先行して、当協会が長年関わり、地元の方によって保全活動が行われてきた「三草山ゼフィルスの森とその周辺」、「地黄湿地」、「妙見山ブナ林」において保全活動を推進し、二次林・湿地・草原的環境の再生や、防鹿柵の設置・拡大に取り組みます。
これと並行して、町内の重要地域で、かつ保全活動の担い手が存在する場所を対象にヒアリングを行い、各団体のニーズに応じた支援(物品提供、市民・企業等への参加呼びかけ、参加型保全イベントの企画・運営支援など)を実施します。
これらの保全活動の成果を適切に評価するため、活動前後にモニタリング調査を行います。モニタリング手法の妥当性については、専門家からなる事業推進会議を開催して検討・検証します。

プロジェクト推進にあたっては、NACS-Jとトラスト協会とで事務局体制を整えるとともに、保全活動を実施するサイトの地元関係者や、市民団体、専門家、行政(大阪府及び能勢町)との連携協力体制を構築します。また、プロジェクト終了後も能勢町の生物多様性保全が継続できるよう、地元のことをよく知る方々の参画を促しながら、自治体との事業の共同実施体制づくりや、資金・人材などのリソースを提供できる新たな企業の発掘に取り組みます。
あわせて、NbSを共に検討し実践していくメンバーで構成するプロジェクトチームを立ち上げます。プロジェクトチームでは、能勢町の特性を踏まえた「能勢町ならではのNbS」について議論し、その実践につなげていきます。
具体的な検討テーマとしては、「材の活用」、「地元産業の付加価値化」、「教育機関と連携した環境教育」、「交流人口の増加」などを想定しています。
まずは3年間という期間限定のプロジェクトとして始まりましたが、持続可能な体制づくりにも注力し、多くの方と協働で取り組んでいきたいと思っています。プロジェクトを紹介するためのWEBサイトの準備も進めていますので、新たに始まったこのプロジェクトにご期待ください。
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