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スタッフブログ 森林ESD

2025.5.27 大阪教育大学で森林ESD体験授業を行いました

小学校や幼稚園の教諭を目指す大阪教育大学の学生さんを対象に、図画工作の授業時間を活用し森林ESD体験授業を実施しました。森林ESDとは「持続可能な社会づくりの担い手を育むことを目的に、森林・里山や校庭・公園などの身近な自然環境を活用して行う学習や活動」のことです。小学校の校庭や中庭で手軽に実践できるよう、授業のテーマは「どこでもできる森林ESD」。大阪森林インストラクター会の皆さんを講師に迎え、みどりに触れた発見や驚きを図画工作で表現しながら、自然を大切に思う気持ちも育む、そんな授業を教師の立場と子どもの目線、両方から体験していただきました。

教室から出て最初に、さわるとかぶれる恐れのある植物などの説明を受けた後、全員で目をつむり、五感を研ぎ澄ます準備運動を行います。何が始まるのかソワソワしていたみなさんも徐々に集中して音を聞いたり風を感じたり。自然の中でリラックスし、感覚が開いていく様子が伝わってきます。



続いて五感を使って自然に触れるアクティビティ「ネイチャービンゴ」に取り組みます。「とがった葉」「赤色かピンク色の花」「すべすべした葉」「香りのする葉」など9マスに書かれたお題を、五感をフルに使って探します。「これ、ギザギザかな?」と相談し合ったり、森林インストラクターから教えてもらったクスノキの葉に「こんなにいい匂いがするんですね!」と感動したり。楽しみながら自然をじっくり観察することができました。



歩きながら拾った葉っぱを教室に持ち帰り、「フロッタージュ」にも挑戦しました。葉っぱの裏と表の役割の違いなどについて説明を受けた後、葉に白い紙をのせ、クレヨンやクレパスで擦るようにして形や葉脈を浮き上がらせていきます。自然の造形の美しさを感じるだけでなく、色を重ねたりイラストを加えて自分だけの作品を作り上げます。お互いの作品を鑑賞し合い、3限が終了しました。



学生のみなさんが入れ替わった4限目は、「森の色合わせ」からスタート。さまざまな色の和紙を手でちぎり、紙に貼り付けた「パレット」を手に、同じ色の植物を見つけます。くすんだ緑や淡い灰色、鮮やかな青などグループによって色はまちまち。同じ道を歩いていても、それぞれ異なる葉っぱや花を見つけているところに、感性の違いを感じさせます。



2番目のアクティビティ「森の美術館」は、大小のフレームや虫眼鏡型の木枠を気に入った場所に設置し、タイトルを付けて一枚の絵に仕立てるというものです。緑の中に思い思いの作品が並ぶ様子は、まさに美術館。視点の違いを楽しみながら鑑賞してまわります。



皆さんからいただいた感想をいくつかご紹介します。

<3限 ネイチャービンゴ、フロッタージュ>

  • ひさしぶりに自然に直接触れた感じがしてとても楽しかったです。毎日通っている道でもこんなにきれいな花が咲いていたのだとか、葉っぱにもいろんな感触があるのだという気づきがありました。

  • 活動を始める前に1分ほど目を瞑り耳を澄ませて外の音を聞くということをした時に、普段はイヤホンをして音楽を聴いて移動していたために聞き逃していた風の音や鳥の鳴き声を聞けて、意識を外に向けるだけでも自然を感じることができるのだなと思い出すことができた。

  • 今回の授業で黄色の花をとった際に花の裏側にてんとう虫が隠れていました。久しぶりにこんな近くで見たため、驚きましたが小学生の子どもたちからしたら嬉しいだろうし、なにより自然に興味をもつようになるのではないでしょうか。

  • 人によって目をつけるものが違ったり、ビンゴのお題は同じでも、言葉の解釈が少し違ったりしていたので、いろいろな観点を知ることができたことも面白かったです。

  • 子どもの頃に自然に触れることによって観察力や色彩感覚、集中力や探求心など多くの力を育むことができると思うので、本講義のようなネイチャービンゴや葉脈フロッタージュは非常に良い授業だと思いました。

  • ネイチャービンゴでは、ギザギザの葉やピンク色の花などの題があることで色々の植物をしっかりと見ることができてよかった。題を提示することは、目的が分かりやすくなることや、探すためにしっかりと観察するようになるなどの利点があることに気づいた。葉脈フロッタージュでは、葉の形が出てくるところを見ると思っていたよりも葉が大きいことに気が付き驚いた。普段はあまり硬いイメージのない葉だが、葉脈が意外と硬いと気づくことができて面白かった。

  • いろんな色を使ったり、濃淡に変化を付けたり、ずらしてみたり、小さな変化を加えることで簡単にオリジナルの作品ができて面白かったです。図工が苦手な子どもも、森林と触れ合ったことがない子どもも、失敗することがなく楽しめる授業だと感じました。


<4限 森の色合わせ、森の美術館>

  • 「森の色あわせ」をしてみて、普段は注意して見ることのない自然のものをよく観察することができた。その中で、この植物はこの色だと思い込んでいた色が違う色であったり、同じものでも季節や状態によって色が変わったりするというさまざまな新しい気づきを得ることができた。

  • 友達と和紙のパレットは同じはずなのに、使う葉っぱ等で個性が出ていてとても面白かった。一番簡単だと思っていた緑色を見つけるのがとても難しくて驚いた。

  • 「森の色合わせ」では、和紙と同じような色が見つからず、苦戦しました。特に黄色や茶色は微妙に色が異なっていて、近い色しか見つけることができませんでした。しかし、葉の裏を見てみたり、葉の横側を見てみたりすると、和紙とほとんど似た色を見つけることができました。このように葉1枚にとっても、じっくり観察することで新たな発見や考えが出てくることを学びました。

  • 遠くから見たら違って見えた色も、近くで見ると合っていたり、花の一部分だけあっているところがあったりと、実際に見て探さないと分からないことが多かった

  • 「森の美術館」は、一つの作品を作る中で自然の中にあるドラマティックな場面を見つける時と、その場面に合うテーマを思いついた時の二度達成感を味わえ、また他の人の作品を見ることでも「ここをそんな風に切り取ったのか」と思いつかなかった新たな発見があり、とても面白かったです。

  • 児童が自分で作るわけではなく、自然の中から切り取って探すので、自分で考えて作ったりすることが苦手な児童でも取り組みへの抵抗感が軽減できると考えます。

  • 森林ESD の取り組みを図画工作の授業に取り入れるとすれば、中庭や校庭に出て同じ色の植物や自然をいくつ見つけられるか競争する時間をとるのも楽しいのではないかと感じた。私たちが実際に色を探したときにも新たな発見があったように、子どもの方が教師の驚くような視点で自然を見ることができるかもしれない。

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