1年の締めくくりに、12月1日に「タガメの田づくり~能勢の棚田で里の冬支度~」として、今年収穫したお米や藁でお餅つきとしめ縄づくりを行いました。秋の紅葉が遅れていたので、能勢のきれいな紅葉を眺めながらのイベントになりました。
朝、現場に到着したら、羽釜に水を入れてかまどで火を起こします。よく乾かした薪には順調に火が付き、参加者が来る前にお湯が沸きました。並行して臼や杵、もち箱など餅つきの道具を準備していきます。1回目につくもち米を蒸し始め、そしてしめ縄に必要な道具も出し終えて、準備完了。参加者がみなさん揃ったところでイベント開始です。
お米を蒸している間、先にしめ縄づくりを始めました。今年も講師は地元の中村 丈枝さんです。まずは藁をそろえてきれいに掃除していきます。掃除が終わると藁を木づちで叩いて柔らかくします。今回使用した「神丹穂」という品種のもち藁はかなり長いもので、扱いづらいので1mくらいの場所で切って藁を綯(な)います。初めての方は先生にマンツーマンで教えてもらいながら、イベント歴5~6年の方は先生にアドバイスをもらいながら、頑張って縄の形にしていきます。子どもたちも小さい手で一生懸命綯っていました。手に湿気がある分、子どもたちの方が上手いことクルクル縄を作っていました。今回はこのほか、クリスマスリースづくりや丸太切りにもチャレンジしました。
しばらくすると、もち米が蒸し上がりました。最初はもち米とうるち米を半々に混ぜたこの辺りで「黄金餅」と呼ばれるお餅です。温めた臼にお米を入れて、杵で潰していきます。この作業で滑らかなお餅が出来るかどうかが決まります。半分うるち米なので、つぶつぶが残っている状態で大丈夫です。ある程度潰れたら、つく工程に移ります。まずは力強い大人が杵を振り上げてついていきます。大人が疲れてきた頃に、うきうきした子どもたちにバトンタッチします。つき終った餅を手早く餅箱に入れて丸くして並べていきます。
1回目が終わってすぐに2回目の餅が蒸し上がりました。2回目はしめ縄の藁と同じ「神丹穂」赤モチをつきます。ほんのりピンク色に蒸し上がったお米を、先ほどと同じ手順でつぶして、ついていきます。だんだん色が混ざり、淡紫色のお餅ができあがりました。白いお餅と並べると紅白餅とも言えそうな色合いです。初めて赤モチでお餅をついてみましたが、色もきれいで味も美味しく、稲はシカも食べない(稲の種子部分にのげと言われる長い毛が生えていて、シカが食べにくいのかほとんど食害を受けません)ため、これはいいかもしれないと、来年も植える品種候補に入れておきました。
5回目に今回唯一の白餅をついて、お昼ご飯にしました。この日のメニューは豚汁、きな粉もち、餡子もち、大根おろし醤油もち。あとは初めて植えたうるち米「虹のきらめき」を羽釜で焚いて試食しました。今年はもち米と「虹のきらめき」を植えていた田んぼをシカに食べられてしまい、白餅は3升分、「虹のきらめき」は5キロほどしか取れませんでした。お餅にご飯にとこれでもかというくらいお米を堪能し、残すところ餅つきはあと1回。
「最後1回ついちゃいましょう!!」
「・・・」
みなさんお腹いっぱいでなかなか動けませんでした。子どもたちをたきつけ、なんだかんだと最後もにぎやかに、無事に6回分の餅つきを完了しました。しめ縄も飾りをつけて仕上げていきます。みなさんとても恰好のいいしめ縄をつくられていました。
今年も夏の猛暑に、シカの食害などいろんなことがありましたが、無事にたくさんのお米が収穫できて、お餅がつけて、美味しくいただけて、と充実した1年になりました。たくさんのことを体験させてくれた能勢の自然に感謝して、最後まで楽しく1年を締めくくるイベントができました。
ご協力いただいたみなさま、能勢のいきものたち、今年もお世話になりありがとうございました。また来年もこの能勢の里山をいっぱい盛り上げていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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