6月16日(日)に三草山ゼフィルス観察会を開催しました。
最近のイベント日は天候が定まらず、この日も朝から曇天で昼からは小雨予報でした。なんとか終了予定の15時までもって欲しい・・・と願いながら観察会スタートです。
少しでもチョウを探す時間を長くしようと、拠点でのオリエンテーションを手短に終わらせ、いつもより早いペースでゼフィルスの森へ。曇り空でも湿度は高いので、汗だくになりながら森に到着しました。
いざ、ゼフィルスの森へ
ゼフィルスとはミドリシジミ類のチョウの総称で、この梅雨の時期に成虫を見ることができます。晴れ間に雄が占有行動(なわばりを巡る追い合い)を行うのですが、飛んでくれるでしょうか。
前日に鱗翅学会がゼフィルス調査をされていたので、その情報を元に、よく見えそうな行灯岩付近で先に観察をしてみることになりました。行灯岩に到着するも、空は相変わらずの曇天。飛んでくれそうもないので先に大阪公立大学の竹内先生にゼフィルスについての講義をしていただきました。
そのうち少しずつ晴れ間がでてきて、チラホラとチョウの気配が・・・竹内先生愛用の9mもある網の出番です。(三草山ゼフィルスの森は全動物種の採集が条例で禁止されていますが、観察会の時は特別に許可をいただいています。)
観察場所を広げるため、参加者のみなさんを行灯岩近くの尾根沿いまで案内しようと歩いていると、後方から呼ぶ声が。
戻ってみるとそこにはミズイロオナガシジミがいました!!羽化したてなのかササの上でじっとしていたので、少しの間撮影会が行われ、その後捕獲されました。今年の初ゼフィルスは、能勢みどりすとクラブのメンバーが見つけてくれました。時間が経つにつれて晴れ間が増えてきました。
木々の隙間を、目を凝らして見ること10分(くらい)。ちらちら飛んでいます。
「そこ!」
「どこ?」
「あそこ!!」
「どこ???」
ゼフィルス観察会おなじみのやり取りを何度か繰り返し、ようやく参加者の方にも飛翔している姿を見てもらうことができました。小さなチョウで、しかも10メートル以上ある樹上を飛ぶため、なかなか場所を伝えることも難しいです。
上を見上げ過ぎて首が痛くなってきた頃、先生から捕獲の声が!
ついに三草山の看板娘、ヒロオビミドリシジミ♂が捕まりました。
翅を広げると青い光沢感のある表側が見えてとてもきれいなチョウです。樹木の高い枝先でこの翅を広げて占有行動を行っています。
天気予報は大きくはずれ、徐々に日差しが強くなってきました。昼休憩は木陰のある観察台付近でとることにしました。チョウやそのほかの昆虫、野鳥をみながら能勢町にある「みちくさ」さんのお弁当をいただきました。山で食べるお弁当はなぜかいつもより美味しく感じますね。
午後からは三草山の植物を散策する班と、まだまだチョウを追いかけたい班に分かれて三草山を歩きました。防鹿柵の中のササユリや、ゼフィルスのウラゴマダラシジミの食草のイボタノキの白い花、コムラサキなど季節の花が楽しめました。
チョウ班は崩壊地付近まで足を延ばして、ゼフィルス探しに行きましたが、午前中より個体数は見られたものの、種類はヒロオビミドリシジミとミズイロオナガシジミの2種類のみでした。梅雨入りの遅れや5、6月の季節外れの暑さなどが影響しているのかもしれません。
ゼフィルスの種類は少なかったものの、捕獲した個体を放す時には間近にゼフィルスが見られて写真も撮ることが出来ました。参加者のみなさんもとても喜んでくれて、今年も楽しい観察会になりました。
参加者のみなさま、竹内先生、能勢みどりすとクラブのみなさん、ゼフィルスや森の生きものたち、本当にありがとうございました。
さて、次回は三草山のふもとで、収穫の秋に稲刈りです。(詳細は、7月下旬配信のメルマガ・ホームページでお知らせします。)みなさまのご参加お待ちしています。
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