丘の上にある緑豊かな柏原キャンパスに、大阪森林インストラクター会の皆さんを講師に迎え、身近な自然を活用したESD授業を学生さんたちに体験していただきました。学内にはたくさんの木々や草花が植栽されています。その葉っぱや花の特徴に注目し、お題にそって集める「ネイチャービンゴ」と、葉っぱの葉脈をクレヨンでこすり出す「葉っぱトレース」に取り組みました。
教室での出欠確認、持ち物確認を済ませて教室の外へ。インストラクターから講習の目的や内容、さらに、触れるとかぶれる要注意植物などの説明を受けた後、ビンゴシートを手に、小さなグループに分かれて植物観察をスタート。
ビンゴシートに書かれたお題は、「黄緑色の葉」「白い花」といった色や、「すべすべした葉」「ギザギザの葉」などの形や手触りに関するものもあるため、細かな部分まで目をこらし、手で触って確かめます。みなさんが苦戦していた「香りのする葉」は、インストラクターからヒントをもらいながらゲット。葉っぱトレースに使う葉っぱも選びます。
教室に戻って、見つけた葉っぱや花をビンゴシートに貼って、見せ合いっこ。
続いて、葉の構造や葉脈の働きについて説明の後、葉っぱトレースの方法を教わりました。葉っぱの上に紙を起き、手でしっかり押さえながらクレヨンの腹部分を使って葉の形を浮き上がらせる描き方で、フロッタージュ、こすり出しとも呼ばれるそうです。
色使いや力の入れ方を工夫しながらみなさん熱中し、素敵な作品が次々に仕上がりました。
いつも素通りしていた植物を見つめ、手を動かして思い思いの作品を作るESD体験。
「五感を使った自然観察を通して、子どもたちに自然を好きになってもらえる授業をしてください」というインストラクターの言葉で授業を締めくくりました。
授業を受けた学生さんの感想の一部を紹介します。
ビンゴを通して目の前の景色をじっくり見ようとしたり、普段は気づかないような特徴が見えたりと身近な景色から得られる発見が多かった。
葉脈をクレパスで浮き上がらせていく作業は、ただ見るだけでは感じ取れない葉脈の細部まで可視化することができてとても楽しかったです。
森林ESDを行っていく立場である教師も、森林インストラクターさんのように小学校の地域の自然について知っておくことが必要であるなと思いました。
「自然を大切に」とか「持続可能に」ということは誰もが知っていると思いますが、一方的なレクチャーだけでは身に付かないことはあると思います。自分が視覚や嗅覚などを通して勉強したことは、実体験となって子どもの豊かな人間性を育むことにも繋がり、自然を守ろうと言う気持ちを起こさせることができると思います。
現在の小学生は、スマートフォンの普及など外で遊ぶことが減り、自然に触れる機会が少なくなったように感じます。もっと自然について知り学んでもらうために学校でこのような機会を設けることはとても大切だと考えます。
森林インストラクターさんが、「例えば丸い葉をとってくるように言ったときに、実際に子どもたちが持ってきた葉っぱが丸くなくてもその子が丸いと思ったら丸いから、否定をせずに受け入れることが大事」とおっしゃっていたのを聞いて、なるほど、確かにそうだなと思いました。
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