11月24日は年に一度のため池掃除でした。毎年棚田の農作業が一段落したこの時期に行っています。
11月に入っても暖かい日が続いていたのに、この日は朝の気温が7℃とかなりの冷え込みでした。「水仕事の日に限って寒い!!」と天気に文句を言ってもしょうがないので、少しでも楽しみを…と、先日畑で取れた焼き芋を準備してから池掃除スタートです。
朝一番に堰を開けて水を抜いている間に、まずは池まわりの草刈りをしました。年に一度しか刈らないので、池まわりは人の背丈ほどに伸びきった草で囲まれています。草を刈りフェンスの外に出して拠点にしているビニールハウス前まで運びます。刈り終えると、ビニールハウス前には小高い草の山ができていました。この草を使って焼き芋を焼いておきます。
草刈りが終盤になると、池の水も半分ほどになってきましたので、意を決して(と言ってもウェーダーを着ているのでそこまで冷たくはない)池に入りました。水かさのあるうちに繁茂したヒシを岸まで引っ張り上げていきます。池の奥にたまったヘドロなども水と一緒に流れるようにかき混ぜながら作業をします。この時点ではまだあまり生きものは見当たりません。
水が膝上くらいまで減ると池底がはっきり見えるようになります。徐々に水に取り残された生きものが見つかり出しました。水草に絡まったギンヤンマのヤゴ、岸に追い詰められたハイイロゲンゴロウ、水面に出てきたミズカマキリなど作業中に見つけたものを一時的に捕獲しておきました。そして、今年も残念ながら見つかってしまった外来生物ウシガエルのオタマジャクシ。浅瀬でじたばたもがいているので、水を抜くととても見つけやすいです。オタマジャクシも捕獲していきます。
午後になると水は全体の2割ほどまで抜けました。水の出口に仕掛けていた籠を取り出すと、オタマジャクシが10匹ほどかかっていました。そのあとも水草やヘドロをあげつつ、それに混じっている生きものを探して捕獲しましたが、今年は例年よりも種類も数も少ないような気がしました。
ため池奥に藪化したヤナギの木があって、水面を広く覆っていて、その下にウシガエルのオタマジャクシが逃げ込んで行くのを見かけたこともあり、急遽少し剪定して整理しようということになりました。水中に張った枝なのか根っこなのかわからない部位を切り、絡まった枝や根っこをほどき、水で重量の増した木を岸まで運びました。陸地での伐採とは違いなかなかの手間と労力のかかる作業でしたが、なんとかヤナギの4分の1くらいは整理できました。
引き上げ作業
ヤナギの整理を始めると、さっきまで姿が見えなかったアカハライモリがうじゃうじゃ出てきました。そして、ウシガエルのオタマジャクシも見つかりました。ここは両生類の隠れ家的な場所になっていたのかもしれません。今回はウシガエルの成体は見つかりませんでしたが、ヤナギの藪はウシガエルが隠れられるいい場所になっていた気がします。他の生きものも利用しているので、ヤナギの藪は、半分ほど残しつつ、あまり生い茂らないように管理していこうと思います。
ガムシ
寒い中の作業で、途中から小雨も降ってきて、なかなかの悪条件でしたが、そんなことも気にならないくらいたくさんの発見があったり、作業に熱中してしまったりと楽しい1日になりました。焼き芋もうまく焼けて美味しかったです!どろどろになりながら作業してくれたみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。また来年よろしくお願いいたします。
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