活動報告

2026.2.5 地黄湿地で防鹿柵設置大会を開催しました

地黄湿地(能勢町)では、増えすぎたニホンジカによる食害を防ぐため、2024年度から湿地部全域を防鹿柵で囲う取り組みを進めています。

昨年度設置が完了した下池では、希少植物の群落が、あちらこちらに現れるなど、大きな効果を発揮しています。中には、毎月定例活動を行っている地黄の森FANクラブのメンバーが初めて目にする群落もありました。

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下池で見られた新たなウメバチソウ群落

今年度は定例活動の際に、地黄の森FANクラブやNPO法人日本森林ボランティア協会のメンバーが上池を囲う作業を進めてきましたが、さらに人手の確保が必要となり、一般の方にも参加を呼びかけ、「防鹿柵設置大会」を実施することにしました。

この日は、防鹿柵の設計・設置についてご指導いただいている、元京都大学の高柳敦先生も駆けつけてくださり、およそ20人で作業を行いました。

午前中は木柵が設置されている町道沿いの作業を行いました。強固にかつ景観を崩さないよう、木柵を活用しながら、下部はワイヤーメッシュ、上部はアニマルパワーフェンスを使って柵を作りました。

まず、木柵の後方に鉄筋を打ち込み、木柵と鉄筋の間にワイヤーメッシュをはさみ、固定します。次に、木柵の杭と重なる形で支柱を立て、アニマルパワーフェンスを取り付けます。

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アニマルパワーフェンス設置
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木柵を活用した防鹿柵設置

湿地への出入口となる木の扉は、シカにとっても侵入しやすい場所になるため、人の出入りの利便性とシカ対策の防御性の二つを考慮しなくてはいけません。この木の扉部分への設置は、高柳先生からいただいたアイデアをもとに、次回の定例活動時に地黄の森FANクラブが行うことになりました。

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高柳先生より木柵入口への防鹿柵設置方法のアイデア

高柳先生から、「設置の方法・仕組みへの理解が不十分で、間違った取り付けをした場所は、仕掛けがきちんと機能しなくなる。いずれ柵内の植生環境が回復した時に、飢えたシカ達は死に物狂いでその隙をこじ開けようとしてくる。」という経験を踏まえたお話がありました。参加者はこれを胸に刻み、丁寧な仕事を心掛けながら作業を進めました。

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雪が残る地黄湿地上池

午後からは日本森林ボランティア協会のメンバーがリーダーとなって、山側に化繊の防鹿柵を設置していきました。「支柱班」と「ネット班」の二組に別れての作業です。

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化繊防鹿柵設置

「支柱班」は、長さ1m50㎝の基礎支柱を、山の等高線に沿っておおよそ2.5m間隔を基本として打ち込み、上から長さ2m10cmのメイン支柱を被せます。

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支柱班

「ネット班」は、支柱に化繊ネットを引っかけ、しっかりと張っていく作業です。化繊ネットの防鹿柵は、網目がきれいな菱形になるように張っていくことが重要で、参加者同士が上手くコミュニケーションを取りながら進める必要があります。この日は初対面同士の参加者もいましたが、声を掛け合いながら、息をぴったり合わせて進めていきました。

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声をかけあいながら化繊ネット設置

やる気に溢れた方々が力を合わせてくださったおかげで、予定していた範囲の2倍にあたる防鹿柵を設置することができました。今回参加して下さった方々には、「上池でも下池同様に植生や見られる昆虫などに必ず変化が起こります。春以降にふたたびお越しください。」とお話ししました。今後も地黄湿地や能勢の魅力について一緒に学べる機会を作っていきたいと思います。是非とも一度、地黄湿地にお越しください!

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参加者で集合写真



※本事業は能勢ネイチャーポジティブプロジェクトの一環として実施しました。

※能勢ネイチャーポジティブプロジェクト

マイクロソフト社の支援を受けて、(公財)日本自然保護協会と当協会が連携して能勢のネイチャーポジティブ(自然再興)に取り組んでいるプロジェクト